clover-kのブログ

タイが好き。タイ衣装が好き。ハンドメイドが好き。天然石も好き。そんなことを綴っていきます。

クマ退治の勇者ータイの昔話と日本の昔話比較

日本の昔話があるようにタイにも昔話があります。

いろいろある昔話で日本とタイの比較をしてみたいと思います。

 

 

1 タイの昔話-クマ退治の勇者

 

クマ退治の勇者

 

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むかしむかし、ある森の近くに、

おくびょうなお百姓さんが住んでいました。

ある日、お百姓さんとおかみさんが、

いつもの様に畑を耕していると、

森の奥でガサゴソと音がしました。

「はて、何だろう?」
お百姓さんは、音のする方を見てビックリ。 なんと大きなクマが、のっそりのっそりと出て来たのです。
「た、助けてくれえ!」

弱虫のお百姓さんは、

その場におかみさんを置きっぱなしにして、

あわてて逃げ出しました。
おかみさんも声が出ないほどビックリしましたが、でも、おかみさんはお百姓さんほど弱虫ではありません。
「ようし!」
おかみさんは、お百姓さんが置いていったオノを振り上げると、クマに向かって行きました。
そしておかみさんは、たった一人でクマと闘い、とうとうクマをやっつけたのです。
おかみさんが倒したクマを引きずって家まで帰ると、弱虫のお百姓さんはビックリして言いました。
「わあ。女房のお化けだ! 自分だけ逃げて悪かった! 謝るから助けてくれー!」
お百姓さんは家の戸をしっかり閉めて、おかみさんを中へ入れようとしません。
おかみさんがクマに殺されて、化けて来たと思っているのです。
「しっかりしなさいよ。わたしですよ。お化けじゃありませんよ」
おかみさんが何度も言ったので、やっと弱虫のお百姓さんはおかみさんと死んだクマを家の中へ入れてやりました。
「感心、感心。よくお前一人で殺せたものだ。だが、もし人に聞かれたら、このクマはわしが殺したと言うんだぞ」
と、お百姓さんが言いました。
「あら、どうしてですか?」
「よく考えてみろ。男でさえも殺せないクマを、何で女のお前が殺せると思う。みんなお前がうそをついていると思うぞ。だからクマ退治をしたのは、わしだという事にしておけ」
お百姓さんはおかみさんにそう言うと、さっそくお城へ行って、
「クマを殺しました」
と、殿さまに言いました。
殿さまが調べてみると、確かにクマが殺されています。
「なるほど。お前はクマ退治の勇士だ。家来にしてやろう。」
殿さまはお百姓さんを家来にして、たくさんのごほうびをあげました。
クマ退治のお百姓は、どこへ行っても評判です。
「えっへん! おっほん!」
お百姓さんは毎日、大いばりで歩き回りました。

ところがある日、困った事が起こりました。
お城の井戸の中にコブラという毒ヘビがいるので、それを退治する様にと殿さまに命令されたのです。
「わあ、困ったな。どうしよう?」
お百姓さんは恐ろしくて、ブルブルと震え出しました。
何しろ、コブラの毒はとても強くて、かまれたらすぐに死んでしまうのです。
でも、いつもいばっているので、コブラ退治は出来ないとは言えません。
お百姓さんは仕方なしに、長いロープを井戸の中にたらして井戸の中へと降りて行きました。
でも、井戸の中は薄暗くて、どこにコブラがいるのかわかりません。
「ああ、怖い、怖い。やっぱり、コブラは退治出来ませんと謝ろう」
弱虫のお百姓さんは早く逃げ出そうと、ロープを夢中で引っ張りました。
しかしロープだと思ってにぎったのは、ロープではなくコブラだったのです。

「ひゃあ。コ、コ、コブラだあ!」
お百姓さんはコブラをギュッとにぎったまま、手をブンブンと振り回しました。
するとお百姓さんがつかんだのは、ちょうどコブラの首だったので、コブラは息が出来なくて死んでしまったのです。
「・・・おや? おおっ! ばんざーい! コブラをやっつけたぞ。ロープを引き上げろ。早く引き上げろ!」
お百姓さんは、大声で叫びました。
弱虫のお百姓さんは毒ヘビのコブラを殺したので、また殿さまにほめられました。
「お前ほどいさましくて強い者はいない。お前がいてくれたら、隣の国の兵隊が何百人攻めて来たって平気じゃ」
「さようでございますとも。敵兵の二千や三千、ただのひとひねりでございますわい。ワハハハハハ」
お百姓さんが得意になって殿さまと話していると、家来たちがあわててやって来ました。
「大変でございます。隣の国の兵隊が、この町の近くまで攻めて来ました!」
「なに、それは本当か。よし、クマとコブラを退治した勇士よ。お前が行って、敵兵どもをひねりつぶしてこい!」
「え? あの、わたし一人でですか?」
「そうだ、さっき敵兵の二千や三千、ただのひとひねりと言ったであろう。期待しておるぞ!」
「・・・・・・」
お百姓さんは、まっ青になりました。
でも殿さまの言いつけなので、仕方なしに出かけました。
「たった一人だなんて、どうしたらいいのだろう。・・・そうだ。まずは敵の様子をさぐってこよう」
お百姓さんは夜になると、コッソリと敵軍のそばまで忍んで行きました。.
見ると敵兵が大勢いるそばに、大きな木がありました。
お百姓さんは敵兵に見つからない様に、その木の上に登りました。
そしてそっと耳をすましていると、敵兵たちはこんな事を話しています。
「この国の兵隊で怖いのは、あのクマとコブラを退治した男だけだ。あいつさえやっつけてしまえば、こっちの勝ちだ」
「よし、まずはあのクマ退治の勇士をやっつけよう」
弱虫のお百姓さんは聞きながら、怖くて怖くてガタガタと震え出しました。
ところが、あんまり震えているので、つかまっていた枝が折れてしまいました。
ドシーン!
お百姓さんは真っ逆さまに、敵兵のいる真ん中へ転がり落ちてしまいました。
「敵だ! 敵が一人で攻めて来たぞ!」
こうなれば、やけくそです。
お百姓さんはすぐに立ちあがると、持っていた刀を振り上げ、
「こらあ! 者どもよく聞け! わしがクマとコブラを退治した勇士だぞ! わしは空から飛び降りる事も出来るし、舞い上がる事も出来る。さあどうだ。わしと闘う者は、出て来い!」
と、大声で叫びました。
敵兵たちは、ビックリ。
空から突然、評判のクマ退治の勇士が飛び降りて来たので、もう怖くてなりません。
「それっ。逃げろ、逃げろ!」
と、あわてて逃げ出しました。
こうしてクマとコブラを退治したお百姓は、大勢の敵兵を一人で追い返したので、殿さまからたいそうほめられました。
そして国中の人から、強い勇士とほめられたのです。

おしまい

 

(福娘童話集  今日の世界昔話 4月27日より)

 

2 感想

 

これはタイの昔話ですが、お百姓さんがおかみさんの手柄を横取りして、殿様に家来にしてもらいます。

日本の昔話なら、きっとこんな展開にはならないでしょうね。

でも、昔話は続いて、お百姓さんにいろいろな災難が舞い込みますが、結局は勝ってしまって、めでたしめでたしという筋です。

日本の昔話にも、最後の展開のお話しはあると思います。

でも、最初のおかみさんのやりとりは、タイらしい感じがします。

今度は、同じ系統の日本の昔話を探したいと思います。

 

次回へ、、、